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Memories of a Bunny 〜ある子ウサギの思い出〜
作曲:川崎槙耶
初演:2019年9月15日、杉並公会堂小ホール「東京細胞2019 野生動物の不当な行為の防止等に関する法律」

空想 ↔ 現実
主観 ↔ 客観
記憶 ↔ 忘却(無あるいは死)
音 ↔ 音楽
昼 ↔ 夜
若者はなぜ夜更かしをするのか。一説によると、死の恐怖から逃れるためだという。 睡眠とは、「体の動きが止まり、意識が喪失される周期的な生理的現象」である。死とは、「何らかの原因で動的活動が停止し、生命が存在しなくなる状態のこと」である。睡眠と死は、体内機能が停止するか否かなど客観的には違いがあるものの、主観的には意識の喪失(=自己という世界の喪失)をする点において似ている。しかし、睡眠の場合は完全に自己世界を喪失しているわけではなく、その世界は「夢」として顕在化する。 この作品は、ある子ウサギの「記憶の断片=音」を集めたものである。眠ると記憶を失ってしまう子ウサギは、自分の記憶と認識から成り立つひとつの夢(空想)の世界を現実に留めておくために音楽を創造する。 私は以前から、ファンタジーの世界を描いてみたかった。例えばジブリの世界やハリー・ポッターの世界、新海誠監督の世界、あるいは鈴木清順の怪奇幻想的世界。ファンタジー作品の多くはそのファンタジー要素にメタフィジカルなメッセージ性を含ませている。言うなればファンタジー(空想世界)は現実世界または現実世界に生きる私たちの奴隷である。この作品も、音楽によって支配されてしまった「音」の集合体といえる(アンチ・ケージ的発想になってしまうが)。調性を用いて作曲したのもこういった理由からである。水の音、風の音などの自然音は、主観世界を描きたかったため恣意的に音選びをした。
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